食品の原料が高騰、飲食店としてはどうする?
そりゃ適正に値上げしてもいいと思う。
でも非常にお手本になる事例が、大戸屋。
全国で340店舗もあるチェーン店です。
米の価格が高騰。あなたならどうする?
今だと野菜やお米の値段が高騰しています。
まぁ野菜はすぐに回復するとしても、お米は8%程度の高騰が続く見込みだといわれているんですね。
てことは、ご飯は1割くらいコストアップなわけですね。
実際に、大盛りの量を少し減らします。という案内は出ています。
ちなみに大戸屋の大盛りは無料ですからね。
単純に価格を上げるか?通常の量を減らすか?
になるんですが、大戸屋は違う手を打ってきました。
それは「五穀米」へのおすすめ。
そもそも「五穀米」の中の白米比率が低いわけですから、白米から五穀米を選んでもらうだけで白米の消費量を減らせるわけです。
※「白米」と「五穀米」の選択も無料です。
でも普通に価格が高騰しているので「五穀米」にしてね。
というだけでは、売る側の勝手な理屈でしかありません。
ポイントカード
「五穀米」を頼むとスタンプカードで、5個たまると自炊用の五穀米パックをプレゼント。
まぁ普通というか、損得に近い方法ですね。
これだと「白米」「五穀米」どっちでもいいけど・・・
くらいの人には多少効果があるかな。とは思います。
でもこれ、「五穀米」を頼む理由としてはとても弱いですよね。
「五穀米」を頼んだことがない人なら、自炊用のパックを欲しいとも思わないでしょう。
ディスってるわけじゃなくて、あくまで五分五分の人用かなぁと思うわけです。
もしかしたら、自宅に持ち帰らすことで広告効果とかあるかも・・・?くらいでしょうかね。
テーブルPOP
それより先に気がついたのは、テーブルにあったPOPです。
「食物繊維」アピールで来てるんですね。
しかも野菜の値上げ率でトップクラスの「レタス」との比較。
「食物繊維」と言えば「乳酸菌」にとても近い栄養素。
「乳酸菌」のエサになるということでも注目を浴びています。
また糖の吸収をゆるやかにするため、血糖値の上昇をゆるやかに~系にはなんてのも、難消化性デキストリンや食物繊維が使われますね。
最近いわれる「野菜から食べましょう」というのも野菜の食物繊維によって、糖の吸収スピードを遅くできるから。
というくらい、反応する人は反応する成分ですね。
まぁ大戸屋は安売り店ではないので、客層にもマッチしていると思います。
かつ、裏面には男性向けでしょうか。
ガッツリ白米よりもスペックが高いことをアピール。
といっても白米も扱っているわけなので、ゆるーくアピールですね。
動機付け
なにより私はなぜ「五穀米を選んだ方がいいの?」という疑問に対して、それは白米より栄養価が高いからですよ。
と、しっかりと「五穀米」の価値を伝えています。
やる理由、する理由、選ぶ理由をつくることを「動機づけ」といいますが、非常に誠実に動機づけできていると思います。
私自身も、今日さっきも大戸屋、昨日も大戸屋、おとといも大戸屋というまぁまぁのユーザーです。
でもそこそこ知識はあるので、今まで一度も「白米」を選んだことはありません。
もちろん全員が「五穀米」になるとは思いません。
ここまで伝えて白米を選ぶなら、それは白米が大好き!なのですからそれはそれでいいでしょう。
でもほとんどの商売は、価値をきちんと伝えていないわけですね。
使っている材料や原料、素材。
それを選んでいる理由はなんなのか?
それを選ぶことでお客にとって何がいいのか?
大戸屋としてはそもそも「五穀米」をなぜ導入していたのか?
というところまで進むと、顧客のファン化はかんたんでしょう。
私から見ると「よいモノ」を提供できるお店のカテゴリに入っています。
また、ビジネス的にこんな基本的なことを、スピード感を持ってチェーン店がやるとは驚きです。
しかもスタンプカードと同時です。
どっちか?じゃなくて、同時です。
結果がでるのは先の話でしょうが、ここまでやったら結果がイマイチ
でも「できることはやった」と言えるでしょうね。
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