AI時代に人間がやるべきことは、正解の候補を用意することじゃない?
ABEJAのAI
大前研一・「新しい消費者」
ネットを味方にできないビジネスは消滅する・2018年6月30日発行
岡田陽介さん
ビッグデータやAIでのデータ分析の専門会社の話。
ただそんな難しい話はわかりにくくても、ディープラーニングですごくわかりやすいたとえがあるんです。
ディープラーニングがまだないころ。
AIロボットのテストがありました。
時限爆弾を洞窟の中に置く。
そしてAIロボットにバッテリーだけをとりにいかせるんですね。
バッテリーだけを取り外せば爆発しないですからね。
でもこのカンタンな問題、1号機は失敗しました。
理由は、バッテリーは持ってきた。
でもバッテリーの上に爆弾が乗ったままだったので、時間が来て爆発してしまった。
「バッテリーをもってくる」という命令ではダメだったということですね。
これを踏まえて2号機。
今度は想定できるトラブルを、避けるように改良しました。
バッテリーに異常はないか、近づくと変化はないか?
などなど、まわりの変化を計算計算するようにしました。
ところが2号機も失敗したのです。
理由は、想定することがらが多すぎるから。
計算に時間がかかってしまうので、時限爆弾の時間が来てしまったんですね。
そして3号機。
今度は、バッテリーを持ち出すミッションに関係ないことを省くプログラムにしました。
壁の色の変化など、会計ないことをすべて排除するようにしました。
すると3号機はまったく動かず、爆弾は爆発してしまいました。
「関係ないこと」というのは、2号機の変化よりもバリエーションがが多いので(この世のすべて)ほぼ計算時間も無限に必要になるからです。
これらのように条件を決めるのは「フレーム問題」といわれ、物事を決めるときに必要になるわけです。
具体的と抽象的みたいなもので、具体的には行動しやすいけど応用が利かない。
抽象的は応用が聞くけど、行動しにくいのです。(個人のフレームによってきまるため。)
そしてこれらのあとに出てきたのが、ディープラーニングなのだそう。
ディープラーニング
このなかで、とてもわかりやすく重要な文がありました。
非常によく当たるあみだくじのようなものをつくっていく
もっともあみだくじなら1回外れたら終わりですが、継続できると考えるわけですね。
犬と猫の区別も、今までは人間が「フレーム」を決めて計算していました。
が、ディープラーニングは当たり外れを繰り返して、当たりの条件をどんどん作って学習していくんですね。
だから逆に、どんな条件で回答をだすのか?
というのはブラックボックスだったりします。
でもアマゾンのおすすめなんかでもわかるように、Aという本を買った人はBという本も買っている。
だから今度Aという本を買った人別の人に、Bという本をオススメで出す。
これでBが買われれば、プラス。買われなければマイナス。
のように多くの人の行動によって正解と思われる回答を出すことができるわけです。
これがロジックはわからなくても、正解ができてしまう仕組みですね。
人間の顔制度を上回ったディープラーニング
顔認識のテストで、タグをつけていくというコンテスト。
2016年には、人間の制度よりも高い、エラー率2.99%を達成しました。
そうなると・・・
こういう複雑だった問題でも、コンピューターの方が早く正確になってきています。
もちろん、もっと複雑だったりまだまだジャンルはあります。
ただアミダで当てていくようなことですから、いつかはこれも人間を超えるでしょう。
そうなると・・・
正解を探すことは、AIができちゃう。
人間がやるべきことは、正解の候補を用意することでしょうね。
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