「育てては去られる」地方介護施設の現実――外国人材が大都市へ流れるワケ

外国人育成就労制度は無理。
そんな現実を見せつけられるような事例が発生。
帯広市の社会医療法人「博愛会」で介護職として外国人を採用。
1人あたり200万円のコストだけでなく、好待遇で対応。
しかし17人中17人の全員が、終了したら北海道を離れて終了。
特定技能制度により転職の権利が発生したので都会へ行ったと。
毎年数千人の失踪者も発生する、外国人の技能実習生。
少なくとも、地方にとってはリスクしかないことがわかります。
ちなみに虐待・パワハラ・低賃金未払い・劣悪な労働環境といった典型的な技能実習生問題も、一切指摘されていません。むしろ逆で、以下の手厚い厚遇だったのにあっさりとあばよ!
移民政策を推進する連中の、思惑通りなのでしょうね。
日本人としてはしっかりと移民政策に反対することが大切ですね。
17人全員が去っていった

北海道帯広市の社会医療法人「博愛会」。
開西病院などを運営するこの法人の細川吉博理事長は、肩を落としながらこう語る。「みんなここに定住して働いてくれるものと思っていた」と。
博愛会は2021年以降、ミャンマー・ベトナム出身の外国人技能実習生17人を介護職として受け入れた。細川理事長は自ら現地に赴き、個別面接を経て一人ひとりを選んだ。
採用後も個室寮の提供、日本語教育、交流イベントの開催など、1人あたり200万円超ともいわれる費用をかけて手厚く育成した。
しかし3年間の技能実習期間が終わると、17人は2026年6月までに全員が退職する見通しだ。転職先は東京など大都市の介護施設、あるいは外食業といった別分野。北海道に残った者は1人もいなかった。
理事長の努力は、文字通り「水の泡」となった。
抜けた穴を埋めるために、また受け入れる

退職者が出るたびに新たな実習生を受け入れ、その実習生もまた3年後に去っていく。博愛会は今、そんな自転車操業の状態に陥っている。
外国人材に頼らざるを得ない構造は変わらないまま、育成のコストとリスクだけが積み上がっていく。
制度の変化が「流出」を加速させた
この問題は博愛会だけの話ではない。技能実習制度から特定技能制度への移行によって、外国人材の転職が事実上自由化された。その結果、地方で実習を終えた人材が大都市へ流出する動きが全国的に強まっている。
青森県や島根県など一部の地域では、実習終了者の半数が大都市圏へ移動するケースも報告されている。転居を伴う異動は全体の約32.8%にのぼるという指摘もあり、地方の介護・福祉施設にとって人材確保はますます難しくなっている。
経済格差という「引力」
なぜ大都市へ向かうのか。理由はシンプルだ。賃金水準、生活の利便性、同国籍コミュニティの存在――あらゆる面で大都市が地方を上回る。どれだけ丁寧に迎え入れても、その「引力」に抗うのは容易ではない。
「育てては流出、また受け入れ……」。このループが問題視される一方、制度的・経済的な構造が変わらない限り、地方の施設が単独でできることには限界がある。
【外国人技能実習生・地方介護施設】のよくある質問(FAQ)

なぜ外国人技能実習生は地方の介護施設を辞めて大都市へ移るのですか? 🏙️
外国人技能実習生が地方を離れ大都市へ向かう主な理由は、賃金水準・生活の利便性・同国籍コミュニティの存在という三つの格差です。
地方と大都市では、同じ介護職であっても給与に大きな差があります。 加えて、交通・買い物・娯楽といった日常生活の利便性、そして母国語が通じる同国籍コミュニティの規模においても、大都市が地方を大きく上回ります。
どれだけ丁寧な受け入れ体制を整えても、この構造的な「引力」に地方単独で対抗するのは非常に難しい状況です。
地方定着の課題については、本記事の「問われる地方定着の仕組みづくり」セクションもあわせてご覧ください。
博愛会(開西病院)はどのような外国人材受け入れ対応をしていましたか? 🏥
北海道帯広市の社会医療法人「博愛会」は、細川吉博理事長自らがミャンマー・ベトナムへ渡航し、個別面接を経て採用するという丁寧な選考を行いました。
採用後も個室寮の提供・日本語教育・交流イベントの開催など、1人あたり200万円超ともいわれる費用をかけた手厚い育成支援を実施しました。
しかし2021年以降に受け入れた17人全員が、3年間の実習期間終了後に退職する見通しとなっています。 北海道に残った人材は1人もおらず、理事長は「みんなここに定住して働いてくれるものと思っていた」と肩を落としています。
技能実習制度から特定技能制度へ移行すると何が変わりますか? 📋
最大の変化は、外国人材の転職が事実上自由化された点です。
技能実習制度のもとでは、実習生は原則として受け入れ先の施設・職種に縛られていました。 しかし特定技能制度への移行後は、同一分野内での転職が認められるようになりました。
この制度変更が、地方で実習を終えた外国人材が大都市へ流出する動きを加速させた大きな要因となっています。 制度の詳細は出入国在留管理庁の公式情報(https://www.moj.go.jp/isa/)をご参照ください。
地方から大都市への外国人材流出はどれくらいの規模で起きていますか? 📊
転居を伴う県をまたいだ異動は、移行者全体の約32.8%にのぼると指摘されています。
青森県や島根県など一部の地域では、実習終了者の半数が大都市圏へ移動するケースも報告されており、地方の介護・福祉施設にとって深刻な問題となっています。
この流出は特定の地域だけの問題ではなく、地方全体に共通する構造的な課題です。 人口動態や地域別の外国人労働者データは、厚生労働省の「外国人雇用状況の届出状況」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/)でも確認できます。
地方の介護施設が外国人材の流出を防ぐ方法はありますか? 🤝
個々の施設レベルでできることには限界があります。 博愛会のケースが示すように、200万円超の育成投資と丁寧な生活支援を行っても、制度的・経済的な構造格差の前では定着につながらない現実があります。
根本的な解決には、賃金格差の是正・地域コミュニティの整備・行政による定着支援策など、施設単独を超えた地域全体・国レベルの仕組みづくりが必要とされています。 現時点では、抜本的な対策はまだ途上にあると言わざるを得ません。
博愛会は外国人材が流出した後、どのように対応していますか? 🔄
博愛会は退職者が出るたびに新たな外国人技能実習生を受け入れ、「育てては去られ、また受け入れる」という自転車操業の状態に陥っています。
外国人材に頼らざるを得ない構造自体は変わらないまま、育成コストとリスクだけが積み上がり続けています。 この「流出と補充のループ」こそが、地方の介護現場が直面する最も深刻な問題の一つです。
地方介護施設の人手不足はなぜ深刻なのですか? 👴
日本の介護業界全体が慢性的な人手不足に直面しており、地方ではその傾向がさらに顕著です。
若年人口の都市集中・低賃金・重労働というイメージが重なり、国内での担い手確保が難しい状況が続いています。 そのため地方の施設は外国人材に頼らざるを得ないのですが、前述のとおり定着率の低さという新たな課題に直面しています。
介護人材の需給予測については、厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/)もご参照ください。
外国人技能実習生を受け入れる際、施設側が負担するコストはどのくらいですか? 💴
博愛会のケースでは、1人あたり200万円超の育成費用がかかったと報じられています。
この費用には、渡航・採用にかかる費用、寮の整備・運営費、日本語教育費、各種イベント・生活支援にかかるコストなどが含まれます。 17人全員が退職した場合、総額3,400万円超の投資が定着という成果につながらなかった計算になります。
こうしたコスト負担の重さが、地方の中小規模施設にとって外国人材活用のリスクをさらに高めています。
備考
外国人の都市流出、穴埋めも外国人帯広の病院「実習後に全員辞めた」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD134LD0T10C26A4000000/
